愚にも付かない独り言

姿の見えない
敵である新型コロナウイルス
に翻弄されて、とうとう
本年も最終最後の12月がやって来た。

今年については振り返ること
も思い起こすこともウンザリである。

従って、愚にも付かぬ独り
言でも呟くしか憂さ晴らしの術が無い。

スーパーのレジで酒類の精算を
待っている時、エンドレス
の機械音声で “未成年の方
にはお売りできません“ と、品物
をチェックする度に繰り返して言う。

そこで私は「ぼくはハタチ
は過ぎています」と店員に言った。

すると、若い女性店員は
私の顔を見て大笑いを始めた。

私の次で2メートル間隔
で待っている人まで大笑いをしている。

一目でハタチ
の成人式は何回も終わっていると、
はっきり判るので笑ったのであろうが、
私にとっては小さなショックだった。

せめて
「そのようですね」とでも言って、
もう少し愛想のある言葉が欲しかった。

それは我が儘というものだろうか。

市役所や区役所から各種税金や、公的
保険料などの納付書が送られて来る。

そして、その納付書に
よって納入したのに、後になって、
払い過ぎになっている金額について、
還付するという通知が来ることがある。

その通知書
に記されている内容が、『過誤納』 になっているので『還付請求』の
手続きをするようにと記載されている。

これはおかしいのでは
ないか?? 『過誤納』という
のは、誤って納め過ぎて
いるという意味であるが、
そもそも納付書を送り付けて来た
のは役所であって、『過誤請求』
『過誤徴収』をしたのは役所の方である。

故に、
『お詫びしてご返金させていただきます』
と表現するのが正しいのではないか。

何だか『責任転嫁の原型』
のような臭いがするのだ。

学童保育に通所する5年生
の男児が、カッターナイフ
を貸して欲しいと言って来た。

何に使うのか訊いてみると、
「鉛筆を削る」と答えた。

小学校では
カッターナイフは持って
来てはいけないと決められている。

だけど、
随分久し振りにナイフ
で鉛筆を削ると聞いたので、
「ここでやってごらん」
とカッターナイフを与える
と、長さが5センチ位
の短い鉛筆を取り出して、
私の机の上にティッシュペーパー
を一枚広げると、ゴボウ
のササガキを作るように削り始めた。

その様子を見て
久し振りに感動した!!

今の子ども
達は鉛筆削り器しか、削り方
を知らないと思って
いたので感心したのである
が、こんなに短くなった
鉛筆を、削り器では短過ぎて
削れなくなっているのに、まだ
削って使う心掛けに感心させられた。

そこで私は
「ナイフで鉛筆を削るのは、
こんな風に削るんだよ」と、左手
で鉛筆を持って右手で削って見せた。

しかし、余りにも鉛筆が
短過ぎて削りにくかったし危なかった。

その為「この鉛筆
は短いので、君がやったように台の
上で削る方が安全だね」と言い添えた。

それでも
久し振りに頼もしい子どもに
出会って、なぜか嬉しくて心地よく、
とてもあたたかい気持ちになれた。

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