今の子ども達の鉛筆の持ち方

学童保育に通所している
子ども達のなかで、鉛筆の
正しい持ち方をしているのを、
殆ど見たことがない。

最も多い持ち方は、
手の平全部で握りしめている。

その次に多いのは、
言葉では的確に表現することが
難しいのであるが、何本かの指で
鉛筆の芯に極めて近いところを持って
いるのであるが、そのうちの人差し指を、
鉛筆に巻き付けるようにして持っている。

それでよく字が書ける
ものだと感心するのであるが、
やはり、持ち方が窮屈なので書く
字も窮屈になっている。

そもそも鉛筆が
六角形になっているのは、
三本の指を使って正しい持ち方を
する為に、わざわざ持ち易いように
工夫されているのである。

因みに色鉛筆が円形なのは、
色を塗るための色鉛筆は文字を
書くのとは異なり、色々な持ち方で
使用することが多いので、わざわざ
円形にされているのだ。

そして、文字の
書き順もメチャクチャである。

驚嘆したのは文字の
縦線を下から上に向かって書くことだ。

これが筆文字であったなら
到底文字の形にはならないだろう。

毛筆の場合の筆順は楷書であっても、


  • 起筆(始筆)

  • 送筆

  • 収筆(終筆)


の順序は決まっているので、
その書き順を守らなければ
文字にはならないのだ。

今の子ども達の
鉛筆の持ち方や文字の
書き順には、見るに見兼ねる
ものがあるのだが、今のところ
それを矯正することはしていない。

それは何故かと言うと、
鉛筆の持ち方を矯正する前に、
食事をする時の箸の持ち方から、
矯正するのが順序だと思われるからである。

つまり、鉛筆の
持ち方が正しくない子どもは、
箸の持ち方も正しくは持ててはいないのだ。

そして、この箸の持ち方
については家庭における躾
であるから、児童クラブでそこまで
立ち入るのは過剰介入と思われる。

また、それをする
となると一人ひとりに
付き添って、共に食事を
しながら矯正しなければならず、
しかも相当な時間(日数)を継続
しなければ成就しない事なので、
その行動は起こしていないのである。

子どもがどのように
育つかは、その環境に
よって決まるところは大なのであるが、

日々の生活を送る
家庭において、どのような
言葉遣いで会話がなされ、食事の
仕方や行儀作法・物の受け渡し方や
後片付けの仕方まで、その全てが家庭に
於ける環境である。

更に言うなら、家族や
親族の間で年長者に対する
敬語の使い方や、祖先の祭り
なども実際の生活の中で体験して、
知らず知らずのうちに学んでゆくのが
環境である。

近年に於いては核家族化が
進んで、極めて狭い環境と
なっているのが現実と思われる。

従って、子どもに躾や
種々の影響を与えてくれるのは、
母親のみという家庭も多いと思われる。

そして、それらの
家庭環境の集大成が
鉛筆の持ち方や、箸の持ち方に
表れていると言っても過言ではないだろう。

子どもが成長していく発達段階では、
単なる感情からふくよかな情緒へと
進歩して、更に気品の備わった情操に
まで高める為には、家庭内(環境)での
躾という家庭教育が大切なのである。

かつての日本には、
この【情操教育】というものが
存在していたのであるが、近年に
至っては、その言葉さえ耳にし得ない
状況になっている。

今の子ども達が
鉛筆を正しく持つことが
できないのは、今の世相が
世知辛く忙しく働くことばかりに
時間を取られているからで、気高い
日本の情操文化が消滅したわけではない。

最も大切なのは、そのことについての
重要性に少しでも早く気付くことである。