学童保育の子ども達に凧揚げをやらせてみた

学童保育の子ども達に
凧揚げをやらせてみた。
最初に、半製品になっている
凧を完成させなければならないが、
誰ひとり自分で出来る子どもはいない。
それぞれに介助してやりながら
完成した凧をもって運動場へ移動した。
曇り空で今にも降って
来そうな寒さであるが風は無い。
従って凧を
揚げるには、凧の糸を
適度の長さに持って走るしかない。
ほとんど全員の子どもが
初体験の様子であったが、
走ってみると凧が音もなく
スーと揚がって空を飛んでいる。
すぐに要領と面白さを
覚えて大好評となり、大勢の
子ども達が入り乱れて走り回る。

そして、子ども同士が
走って衝突することは無いが、
飛んでいる凧の方には色々な
トラブルが発生する。
このトラブルこそが
子どもの発達段階での肥料である。

楽しい凧揚げを再び
続行するにはトラブルを
いかにして解決するか、そして、
同じトラブルが発生しないように
どうすればいいのか、遊びの中で学ぶ
事は沢山ある。

ところが中にはとんでもない
子どもが居るので要注意である。
小学3年生の男児であるが、
日頃から桁外れの問題児で、
ことごとくと言って良い程
トラブルの震源児である。
この子が血相を変えて走り込んで来た。
「大変です。先生すぐ来てください。
大変です。」
と、それは直ちに救急車か
消防車を呼ばなければならないような
言い方で、一瞬にして緊張が走った。
しかし、通報者が通報者である
から決して安易に受け止めてはいけない。
「何が起こったのだ?」
と訊いてみると、
「凧が木の枝にひかかった」と言う。
緊張が解けて安堵というより
腹立たしくなってくるのだ。
いつもこの児童ひとりの
ために全てが麻痺して終うのだ。

凧揚げを終えて
教室に戻ってくると、
この児童ひとりが凧糸を
グチャグチャにもつらせて、
もはや毬状態の糸玉になっている。
それは自分がやってしまった
不始末なのに、まるで他人が
被せた害であるかのように不平不満を
まくし立て、もつれた凧糸を指導員に
解かせている。
そして自分は新たに
次から次へと、他者へ迷惑を
かける行為を続けて騒ぎ回っている。
これでは余りにも理不尽過ぎるので、
もつれた糸をほどく事に掛かり切りに
なっているのを止めてもらった。
他の大勢の児童全体を
忘れてはならないのだ。

勿論、その指導員が良かれと
考えて糸解きをしていたことは理解できる。
その桁外れの問題児を
鎮めることが、他の大勢の
児童を守ってやることに繋がるので、
理不尽なことも日常茶飯事に
なっているのだ。それが学童保育の
現場の風景なのである。