新緑とくすのきと初鰹

こんばんは、湯豆腐です。

今日は新緑の季節のお話を。

くすのきの葉替わり

誰もが待ち望み、咲いたかと思うとパッと散る、私たち日本人の、大和心の象徴とも言うべき桜の花が終わると、新緑の季節がやって来る。

時候の挨拶で、風薫ると表現される青葉若葉の季節に、季節を間違ったのかと思わせる、落葉の様子に酷似したものがある。それは、くすのき( 樟・楠 )の葉替わりである。

楠は落葉樹ではない常緑樹なのに、そよ風が吹いただけでもパラパラと、音を立てて葉が落ちる。しかし、楠は葉が落ちても枯れ木のようにはならない。新しい緑の若葉が、しっかりと跡を継いでいる。これは、世代交代の葉替わりと言えるであろう。しかも、役目を終えた親の古い葉が、跡継ぎの子のために地に返って養分になる。

くすのき学問

楠は、かつては樟脳という防虫剤の材でもあったので、病虫害にも強く、生長は遅いが大木に育つものが多い。このことに因んで、大器晩成の譬えになって、くすのき学問・くすのき大成という言葉がある。

楠が庭にある人や、街路樹の掃除をする人にとっては、箒で掃いても掃いても切りがないので、腹立たしいものでもあるが、幸せな世代交代の姿を見せてくれる、幸福の木として許してやるしかないだろう。

初鰹の刺し身

 その代わりという訳ではないが、初鰹の美味しい季節がやって来た。鰹といえばタタキが有名であるが、この季節は刺し身が絶品である。これに新わかめを添えて食べると最高の酒の肴である。

 鰹は海流にのって回遊する魚なので、近場での釣り人に釣れる魚ではない。鰹の一本釣り漁船が、遠くまで行って獲って来るので、鮮度の良い物にはなかなか恵まれない。

鮮度の良いものを買うには、対面販売をしている店で鮮度を確かめてから、皮引きと冊の状態まで調理してもらうのがお薦めである。 刺し身で食べるには少し鮮度が落ちる場合は、煮付けなどにすると素晴らしい味になる。 一度お試しになってみては如何でしょうか。

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