こどものごっこ遊び

子どもの“ごっこ遊び“は面白い。 特に、女の子がやっている“お母さんごっこ“は抱腹絶倒である。

小学1年生の女の子、ルキルちゃんがお母さんになった。 お母さん役になると、俄かに言葉づかいに威厳が現れて、小学3年生のユウユウくんに赤ちゃん役を割り当て、小学4年生のヤヤマくんにはお父さんの役を割り振って、ルキルちゃんは毅然として言い放った。 「お父さんは、ちゃんとお仕事に行ってよ」。 これを受けてヤヤマ君は、一旦おままごとエリアから離れた。そして直ぐにおままごとエリアに戻って来ると、「久しぶりの家に帰ってきたなぁ、はじめに風呂に入ろうか」と呟いた。ところがルキルお母さんが、「誰?だまって入って来たのは、ちゃんと“ただいま“って言いなさい」。 ヤヤマお父さんがその場で「ただいま」と言ったが、「ダメよっ、ちゃんと玄関のところで言いなさい。ハイッ、やり直しなさい」なかなか手厳しい。 ヤヤマ君は玄関の位置まで戻って言い直した。ルキルちゃんは追い討ちをかけて、「はじめから、ちゃんとやらなきゃダメよっ、子どもが見てるんだから」。 これに続いてルキルお母さんは、「ユウユウくんは何してるの」。 これを受けてユウユウくんは、「バブッバブッ」と言いながらハイハイを始めた。「ユウユウくん、そっちに行ったらダメよっ」・「お父さんはユウユウをちゃんと見てよ。もう、怒られてばっかしだから」と。ルキルお母さんはこの一連のやり取りを、声の強弱や抑揚を付けてやり切ったのだ。恐るべし堂に入った言い回し方である。

ユウユウ君といえば今年の春には、新1年生に入って来たばかりのトト君を、自分の思い通りに服従させるために、力加減も分からず乱暴に引っ張り回していた。 そして指導員に対しても、「うるせぇ、ばばあ死ね」と言い続けていたのだが、夏休み中の特別保育で進歩のきっかけを掴んだようである。そして何よりも、ルキルお母さんの言葉づかいが余りにも現実味を帯びているので、本能的にお母さんへの服従に目覚めたのであろう。

子どもの“ごっこ遊び“は、それぞれの家庭の様子が生き写しになっているのだ。

※文中の名前は仮名です。