そもそも「おせち」とは、節句に神様にお供えした食物のことを「お節料理」と呼んでいた。

こんばんは、湯豆腐です。

今日は忘れられていく文化と、発展してく文明についてのお話です。

ITの発達と文化

文明の発達の陰に文化の退廃がある。

文明と言えば何と言ってもIT器機の進化は日覚ましい。 近年では、一般家庭にもパソコンが普及したかと思えば、今や大勢の人がスマートフォンを所持している。

これにより通信手段も変貌した。 ラインだのツィッターだの瞬時にして大勢の人に伝達される。

その反面、昔は手書きで手紙や伝達文物を作成していたのに、 今ではパソコンのワードやメールで文書を作成するので、 漢字の使用も辞書を引くのではなく器機の変換機能に頼っている。 従って同音異義の語句など同違った使用が目立つようになった。

手書きの習慣も廃れて、美しい文字の書ける人も激減したように感ぜられる。

例えば、鯛

また、日本の食文化も変貌して来た。 今や食品の加工・保存の技術は劇的に進化している。 物流の能力・技術も凄まじい。 従って昔からのように、季節によって旬を味わっていた野菜や魚介類も、 今では一年中どこに住んでいても食することができる。

それが余りにも便利過ざて、それぞれの食品の手節感も食べ頃の旬も、 分からなくなってしまった。

例えば、鯛という魚は桜が咲く頃に、産卵を迎える旬の時期を桜鯛と呼び、 秋にかけて麦が実る頃の、脂が乗った時期を麦わら鯛と呼ぶ。

これは日本の言葉の文化であり、食文化でもある。 しかしながら、これらの事は幸せな食生活が送れているのだから、 然したる問題ではない。

お節料理

さてここで、日本の伝統的な食文化である正月のお節料理を考えてみよう。

近年では、家底でお節料理を作っている人は少ないだろう。 今やお節料理はスーパーなどの食品店で、購入するのが当然のようになっている。

勿論これはスーパーや食品業者の、過剰な販売戦略による面も大であるが、 やはり私たち日本人がお節料理の意味を忘れたり、知らなかったりしていると思われる。

そもそも御節とは、古来、季節の変わり目である節句に、 神様にお供えした食物のことを「お節料理」と呼んでいた。 それがやがて、節句の中で最も重要な正月の料理のことを呼ぶようになった。

本来のお節料理は、保存食としての煮しめのことであり、 そこに縁起の良い食品を選んで、新年を迎えるに相応しい料理として伝承されてきた。 日本の伝統的食文化なのである。

この他にも忘れられてしまうには寂し過ぎる日本文化が沢山あるのだが。

文明と文化

もう読者の方がお気づきの通り、 文明と文化は混同して使われることもあるが、文化は精神的所産であり、 人々が一定の目的に従って理想を実現していく過程を言うが、 文明は物質的生活を、より良いものへと発展させることを意味している。

世の中が、どんどん便利な物に恵まれることを幸福なことであるが、 その一方で、古き良き日本の文化が廃れていく寂しさがある事を、 忘れずにしっかりと受け継ぎ伝えて行きたいものである。