看護師と介護士、職種と服装で利用者たちの言葉遣いが大きく変わっていた。

これまでの人生に於いて身内の病気や高齢になってからの介護などで、看護師さんや介護士さんのお世話になって来た。
また私自身も大病に冒されて心細い気持ちになっている時の看護師さんの木目細かい対応に、感謝すると共に励まされた記憶が強く残っている。

いま、少子高齢化社会を迎えて医療機関や介護施設の不足、更には、看護師・介護士の人手不足が深刻な問題になっている。
そもそも看護師と介護士では、その職業柄から基本的に「守るべきとされるもの」が異なる。看護師は「生命」を守ることにあり、介護士は「生活」を守ることにある。どちらも甲乙つけがたい大切なものであるが、利用者の方では、看護師という職種と介護士という職種で、異なるイメージを抱いている。

かつて身内がお世話になっていた障害者病院での光景であるが、 そこでは介護士だけではなく、看護師も入院患者及び入所者の介助や介護を行なっていた。
そして、看護師は白衣を着用しているが介護士は動き易い制服を着用していおり、服装によってその職種が一瞥できたのである。

すると、利用者たちは、白衣姿の看護師には「看護師さん、看護師さん」と敬意を以って丁寧な言い方をするが、介護士に対しては、「ねえ、ちょっと~、これやってよ」と言葉遣いがガラリと変わるのだ。
そして介護士さんも「ちょっと待ってよ、いま手が離せないんだから、見たら分かるでしょ。」と怒ったような口振りになる。それも致し方ないことだろう。

  職種が違い服装が違うことで、利用者の言葉遣いが大きく変わるのは何故なのか?。 人は職種についても、それを象徴する職名や服装によって抱いているイメージがある。 その抱いている「先入観」によって反応しているからではないか。

身体が不自由になったり、認知症を患っている高齢者が、事故無く命を長らえることは重要なことであるが、その為には、日々の生活が何よりも大切である。 「生命」を守ることは、「生活」を守ることにその源があるのではないでしょうか。